日本は「恥の文化」がある、とは良く言われますが、トイレにおいてもそうなのでしょうか。先日のニュースで、小学生の子ども達の中には学校で「大」をしたくなくて我慢している子どもがいるということに触れられていました。メインは和式トイレで使いにくい、ということでしたが、その他に、後でからかわれることが気になる子どももいるようです。
アメリカと日本のトイレの習慣の違いから、アメリカ人が驚いた日本人のトイレに対する羞恥心について書いてみたいと思います。
- トイレの個室の仕切りの下部分が30cmほど空いているアメリカのトイレ
- 仕切りの下が30cmほど空いている=音が隣に響き渡る
- 慣れてくるとどうでもよくなる
- 「なんであの子は2回トイレを流すのかしら?」
- いつの間にか育っていたトイレに対する羞恥心
- 体の機能が完成するまではトイレを我慢させない環境を作る
- さいごに
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トイレの個室の仕切りの下部分が30cmほど空いているアメリカのトイレ
アメリカのトイレに行くとまず気付くのが、個室に入ると隣の人の足が見えることです。下着を下げて足を開いて格好悪いことこの上ないのですが、全ては防犯のためです。
上では個室と書きましたが、どちらかというと個室というより「トイレとトイレの間に仕切りがある」と考えるとしっくりきます。
防犯第一のこのトイレでは、恥ずかしいということは考える余地もなく、「トイレ=誰だって排泄するんだから格好悪い時もあるよ、安全ならいいじゃない」という考えに基づいているようです。
仕切りの下が30cmほど空いている=音が隣に響き渡る
ここで問題なのが、足が見えるどうこうというより、音がはっきり聞こえることです。ガサガサッ、(ピーッ・聞こえてはならない音)、ゴロゴロゴロ(トイレットペーパーを取る音)、ジャアアアア、ガチャッ、までの一連のサウンドです。
慣れてくるとどうでもよくなる
慣れてくるとその全てはどうでもよくなり、いくら綺麗に着飾っていようが、トイレではありのままの自分でいることは誰しも許されている(というか当たり前)状態になってきます。
そんなアメリカ人にとって、日本人のトイレ習慣は驚くばかりのようです。
「なんであの子は2回トイレを流すのかしら?」
私はアメリカでホストマザー(名前はヘザー(仮))と暮らしていたのですが、一年たって私が別の場所へ引っ越した後、私の次にその家で暮らし始めたのは、同じように日本人の女性でした。
その女性がヘザーと暮らし始めてしばらくたった頃、ヘザーに会う機会があったのですが「どうしてもわからない」と相談されたのがトイレの習慣です。
ヘザー「ねぇ、今度の女の子はとっても変わってるの。トイレに行ったときなんて毎回2度水を流すのよ。なんであの子はトイレを2回流すのかしら?もったいないと思わない?」
そういえば、私も音姫(toto商品:ボタンを押すとトイレの流水音がする機械)が学校のトイレにつくようになるまでは、彼女と同じようにしていたことを思い出しました。
私「日本ではトイレの最中の音を他人に聞かれるのはとても恥ずかしいことなんだよ。だから、彼女はトイレをしている最中に水を1回流してる。それで、終わってから全部ちゃんと流すのが2回目。」
それでもトイレの下30cmが空いている国で育ったヘザーには”トイレの音を他人に聞かれることは恥ずかしいことだ”という概念はどうしても理解できないようでした。
ヘザー「なにそれ!?意味不明よ!1回でいいのよ1回で!」
いつの間にか育っていたトイレに対する羞恥心
私が子どもだった頃を振り返ってみると、小学校1年生あたりでトイレに対する羞恥心が芽生えたような気がします。
・授業中はトイレに行ってはいけない、行きたい時は手を挙げて先生に伝える
こんなルールです。
もちろん先生に言えばトイレに行って構わないのですが、なんとなく「あの子授業中にトイレに行ってたよ」と噂になりそうな雰囲気。
現に小学校2~3年までは、授業中に必死に我慢したあげくもらしてしまう子も何人かいました。それは尿意が突然襲ってきたからではなく、本当はトイレに行きたくても我慢してしまっていたからなんですよね。
体の機能が完成するまではトイレを我慢させない環境を作る
小学校2~3年生までは、体格の違いなどもあり、まだまだ体の機能が完成されていません。大人のように、トイレをしばらく我慢できるほど膀胱も発達しておらず、自律神経が整っていなければ尿意を調整することもできません。
このような時期に、”トイレに行くことは恥ずかしいことだ””大をしたことを人に知られてはいけない”と思い詰めるのは本当に苦しいと思います。
もっとトイレに行きやすい環境にならないかと思います。授業では特別とりあげることはなかったと思いますが、これは大人がもっと寛容になって良いと思います。
・誰だってトイレに行く
・大切なことをしている時でも体が一番大切なのでトイレに行って良い
・トイレをすることは恥ずかしいことではなくて、体がいらなくなったものを出している大事なこと
こういう話題をオープンに楽しく伝える場ができれば良いと思います。
さいごに
まだまだ洋式トイレが学校で普及していないことも問題になっています。私も大人のケースではありますが、気になったので別記事に書きました。
トイレに対する羞恥心はいつの間にか育っているものなので、トイレ=汚い、怖い、恥ずかしい、のイメージが一新されると良いなと思います。また”人に知られてはいけない””人に聞かれてはいけない”という恥ずかしさの気持ちも奥ゆかしくはありますが、健康を損ねては本末転倒なので、そんな羞恥心も消えるともっとトイレは楽しく健康的に使えると思います。
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話題になっていたニュース。トイレを我慢してしまう小学生について。