プロのアニマルトレーナーがイルカに絵を描くスキルを教え、イルカの認識能力に関する研究が進んでいることが話題になっています。また、イルカは鏡を見て自分の姿を認識することもできるという自己認識に関する研究(self-recognition study)も進んでいます。
イルカは人間と同じ言葉は離しませんが、人間に近い認識能力を持っているかもしれません。本日は、イルカの研究についてのニュースをご紹介します。
「チッキー」ドルフィン・ペインティング・プロジェクト
イルカ「チッキー」が絵を描く様子がYouＴubeで公開されています。撮影はトレーナーのフランク・サンチェス。
この撮影は2008年に行われ、フランク・サンチェスが動画をYouTubeに投稿したのが2012年。翌年の2013年にはニュースとして大手新聞社にも沢山取り上げられました。ピカソをもじって「チカソ（Chicasso)」とも呼ばれているそうです。
動画の中の「チッキー」は遊びとして楽しんで絵を描いているように見えます。
トレーナーのフランク・サンチェスによると、ご褒美の魚をあげなくてもチッキーは絵を描き始めたそうです。
絵の中でブルーの筆で描いた部分は魚かイルカのようにも見えます。水の中から見た光の反射やイルカが描かれているのかもしれません。
トレーナーのフランク・サンチェスは、チッキーに絵を描くスキルを教えるのに根気が必要だったようで、「チッキーのように絵を描くことができる賢いイルカはなかなかいない」と話していました。
自分の姿を見ておおはしゃぎするイルカ・ボルチモア水族館（アメリカ・メリーランド州）
動画の中で研究者が話したところによると、鏡を見たイルカがクルクル回ったり口を開けたりしているのは「自分のことを見てみたい。自分の顔はどんなかんじなんだろう？さかさまになって、泡を出してみたらどんなかんじだろう？」と自分に興味を示しているからだと言います。
I want to look at myself.I want to look into my face (how) it looks like. What does it look like when I turn upside down and blow a bubble.
好奇心旺盛で遊び心がある可愛い行動ですよね。
自己認識に関する研究（self-recognition study）はさらに続いています。2015年の報告によると、鏡の前ではしゃいでいるのは、他のイルカと遊んでいるからというより、鏡に映っているのは自分だと認識しての行動だと結論付けたそうです。
人間以外に自分を認識できる動物は少ない
人間は、鏡を見て自分を認識する自己認識能力や、外の風景を見て絵を描いたりできる認識能力を持っていますが、人間以外にその能力を持っている動物は少ないようです。
イルカ以外では、象やチンパンジーには認識能力が備わっていると言われています。
私も犬に鏡を見せたことが何度かありますが、自分の姿が映っているとは思っていないようでした。
イルカは言葉こそ話しませんが、人間とかなり近い認識能力や思考をしながら生きている気がします。イルカががどんなことを考えて何を感じているのか、研究が進めばもっと色んなことが分かりそうですよね。
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