週間ダイヤモンドで話題になっている「疲労の正体」。”疲労の正体は、実は乳酸ではなく活性酸素(酸素ラジカル)だった!”というなんとも気になる週間ダイヤモンドの疲労特集を執筆されているのが大阪市立大学健康化学イノベーションセンター所長の渡辺恭良先生(理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター長)です。
渡辺先生、子どもの疲労の研究をされている水野敬先生、MBSのニュース番組「ちちんぷいぷい」でもお馴染み、大阪北新地の「粋餐 石和川」の店主浦上浩さんが共同で出版したのが抗疲労の食事が作れるレシピ本「おいしく食べて疲れをとる―JAPANESE FOOD「ああ疲れた」にこの1冊!」。この本についての講演会が2016年9月26日大阪梅田で行われ、参加してきました!主催は紀伊國屋書店、出版は丸善出版です。
講演会は終始なごやかな雰囲気で、抗疲労対策できる食事と料理の話を沢山伺うことができました。
- 毎日の食事で疲労を取ることができる和食のレシピ集「おいしく食べて疲れをとる」
- 日本食の抗疲労効果の実験成果
- 【科学的に検証済み】抗疲労に効く栄養素って何?
- 疲れを取る食事向けにレシピ本で使われている食材とは?
- まとめ:一流の科学者と一流の料理人の豪華コラボで作られた抗疲労レシピ本。疲れやすい人は一読の価値あり!
- 追記:梅田にあるグランフロント大阪にある「健康科学イノベーションセンター」で疲労度測定や健康管理ができる
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毎日の食事で疲労を取ることができる和食のレシピ集「おいしく食べて疲れをとる」
疲労を取る方法、体を酸化させない方法と言えば沢山の方法がありますが、毎日の食事で疲労を取る方法なら手軽で継続しやすいですよね。
今回出版された「おいしく食べて疲れをとる―JAPANESE FOOD「ああ疲れた」にこの1冊!」は渡辺先生率いる大阪市立大学健康科学イノベーションセンターの研究チームによって、日本食には「抗疲労」の機能があることが判明したことをコンセプトに、和食・日本食の家で作れるレシピが82点紹介されています。
研究の成果を元に食材や組み合わせを提案する渡辺先と水野先生のアイデア、ちちんぷいぷいでも料理を教えてくださる浦上さんのレシピのタッグという豪華コラボ本になっています。
「色々対策しているのに疲れがとれない」という人にぴったりだと思います。
慢性疲労を自覚している人が多い日本。活性酸素発生を抑え、抗疲労対策する方法は毎日の和食(日本食)
渡辺先生・水野先生のお話によると、疲労感を自覚している人がとても多く(2004年の文部科学省研究で56%)、半年以上疲労感が続く慢性疲労の状態に陥っている人も多い(全体の39 %)のだとか。慢性疲労症候群にかかっている人も多いそうです。
また、子どもの疲労を研究している水野先生のお話によると、今は小学生・中学生でも疲労感を訴える生徒がとても多いそうです。
レシピ本「おいしく食べて疲れをとる―JAPANESE FOOD「ああ疲れた」にこの1冊!」の巻頭には9ページにわたって、疲労のメカニズム(「活性酸素」発生のしくみなど)、抗疲労に効く栄養素、抗疲労レシピに使われている主な食材の説明が記載されています。そこが科学的レシピ本ならではの面白いところかなと思います。
(巻中には疲労度測定方法についての紹介もあります。)
日本食の抗疲労効果の実験成果
日本生活習慣病予防協会のHPに実験結果が掲載されていました。
研究では、開発した抗疲労食と比較するため、20~60代の各年代男女100人ずつ約1,000人の食事に関するアンケート調査結果をもとに、一般的な食事「コントロール食」と抗疲労食を比較。
その結果、抗疲労日本食を摂取することで、疲労感を軽減する効果が得られ、安静時の自律神経機能の改善効果や、血液中成分の改善効果も得られることを明らかにした。
(引用:「日本食」で疲労回復 疲れがとれやすい食事を開発 大阪市立大など | 最近の関連情報・ニュース | 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会)
【科学的に検証済み】抗疲労に効く栄養素って何?
レシピ本「おいしく食べて疲れをとる―JAPANESE FOOD「ああ疲れた」にこの1冊!」では、ビタミンB1、α-リポ酸、パントテン酸、L-カルニチン、クエン酸、コエンザイムQ10(CoQ10)、イミダゾールジペプチド、そしてイノシトール・ビタミンB6・トリプトファン&チロシンが、エネルギーを増やし抗疲労に効く栄養素として紹介されています。
講演会での話によると、これらの栄養素は単体で取るよりも、組み合わせて食事として上手に摂取することで疲労回復につながりやすいのだそうです。
疲れを取る食事向けにレシピ本で使われている食材とは?
①肉類:牛肉・豚肉・鶏胸肉・鶏レバー
②魚:さけ・いわし・えびなど
③野菜・豆・果実:カリフラワー・ほうれん草・じゃがいも・トマト・ピーマン・ブロッコリー・ごま・大豆・にんにく・アボカドなど
④海藻:ひじき・のり・わかめなど
⑤乳製品:チーズ・ヨーグルトなど
これらの食材を組み合わせてより疲れが取れやすいレシピを、共同で考案したそうです。家で手軽に用意できそうな食材ばかりなのが嬉しいですよね。
【講演会こぼれ話】82の料理を一日で作って撮影!?レシピ分量は好みでアレンジOK
レシピ本「おいしく食べて疲れをとる―JAPANESE FOOD「ああ疲れた」にこの1冊!」では82ものレシピが全て違うお皿に載せて紹介されているのですが、これら全ての料理は浦上さんが1日で作ったものだそうです。
下ごしらえやお皿の準備はあらかじめしていたそうですが、「1日でこんなに沢山の料理が作れるものなの!?」と驚きでした。
カラフルな料理が沢山載っています。レシピ本の中では「にんじん小半分」とかグラム数が細かく書いてあって、浦上さんの料理が再現できるようになっています。ですが、浦上さんによると、本どおりに作らなくても良いし好みの味つけにして作ってくださいとのことでした。
参考書のようなかんじで本を参考にして作ってみて、いつも家の味にアレンジしてみるのも良さそうです。
まとめ:一流の科学者と一流の料理人の豪華コラボで作られた抗疲労レシピ本。疲れやすい人は一読の価値あり!
講演会は和気藹々とした雰囲気で、あっという間に1時間半が過ぎました。とても楽しかったです。
一流の科学者と一流の料理人がコラボした疲労対策のレシピ本「おいしく食べて疲れをとる―JAPANESE FOOD「ああ疲れた」にこの1冊!」は、毎日の疲れた溜まりやすい人にとって一読の価値ありだと思います。最新の研究の成果が盛り込まれたレシピ本は珍しく、いつもの食材で簡単に作れるレシピばかりなので、これからどんどん広がっていきそうです。
追記:梅田にあるグランフロント大阪にある「健康科学イノベーションセンター」で疲労度測定や健康管理ができる
渡辺先生が所長を務める大阪市立大学健康科学イノベーションセンターは、JR大阪駅北側にあるグランフロント大阪ナレッジキャピタルに拠点があります。
会員になると疲労度測定や健康管理をすることができますので、興味のある方はこちらからどうぞ。(会員以外でも疲労度測定ができる時が年に何回かあります。)
⇒大阪市立大学 健康科学イノベーションセンター | みんなで拓く、健康科学イノベーションのベースキャンプ!