2016年はカブスと契約し、マイナーからスタートすることが決まったムネリンこと川崎宗則選手。
1月12日に、京都学園大学太秦キャンパスで川崎選手の講義が開催されました。タイトルは「メジャーで愛される人間力」。この講義に参加してきたので、講義内容と感想について書いてみたいと思います。
目次
講義の生徒は一般50名と大学の野球部の学生150名
一般の募集は50名だったのですが、実際は50名以上の人が申し込んで全員参加できることになりました。申込みが多ければ抽選になるかもしれないとのことだったので、参加できるとのメールを受け取った時には嬉しかったです。申し込んだ人が全員入れるように席を調整してくれたようです。
会場に着くと、野球部のみなさんが爽やかに挨拶しながら案内してくれました。一般の人を学生より前の席に入れてくれたので、見やすい席で講義を受けることができました。
ムネリン先生登場の前に大リーグの映像で先生を知る
ムネリン先生登場の前には、舞台上で大リーグの野球映像+インタビュー映像が流れていて、早くも笑いをこらえきれない人続出です。
いざ、ムネリン先生が登場すると、わぁ~!っと沸く会場。
この日は初の大学での講義ということで「ムネリン先生」と呼ぶことになりました。川崎選手は「ムネ先(ムネセン)でもいいですよ。」と言っていたのですが、対談相手である大学の先生が「いえ、今日はムネリン先生ということで…。」と仰って、ムネリン先生と呼ぶことに決まりました。
「メジャーで愛される人間力」講義内容
ネガティブな部分も大切にする
いつも明るいムネリン先生ですが、皆と同じようにネガティブになることもあるし、ネガティブであることもとても大切という話でした。
「ネガティブでもいい。ネガティブな部分があるからこそ人にやさしくできる。」「ポジティブばかりだと人を傷つけてしまうこともある。」と言っていたのが印象的でした。
ただ、明るくポジティブに振る舞うのではなく、その場の空気を読んで「落ち込んでいる人には無理に声をかけない。」そういう時は一緒に食事に出かけたり飲みに行ったりするそうです。
ネガティブな部分を持っているからこそ、同じような気持ちになっている人の気持ちや状況がわかる。明るいムネリン先生がそう言ってくれると、ほっとした気持ちになります。
チームワーク=気持ちをシェアすること
ムネリン先生が考えるチームワークとは、気持ちをシェアすること。
・仲間が打ったら一緒に喜び、緊張していたら「それをわけてくれ!」と言って食べる!(むしゃむしゃ食べるジェスチャーをしながら)
・自分が補欠でも仲間が打ったら大喜びする
・小4の頃から、応援ソングを歌って上級生の応援をするのが上手かった
仲間が喜んでいたら、それ以上に一緒に喜び、緊張していたら一緒に分け合って、いざ行くぞ!となったら応援する。こんな先輩やチームメイトがいたら最高だろうなぁ、と思いました。
チームメイトが試合に出場する前には檄を飛ばして全力で応援する
大リーグで大うけしたこちらのインタビューですが、チームメイトが試合に出場する前に皆を集めて言っているそうです。
"Just swing, just throw, just catch, just win!"
最初は「え?」という雰囲気だった監督や選手たちも、今では馴染んできて、試合前には「今日はやらないの?」と楽しみにしている雰囲気だとか。
補欠の時も全力で応援するとのことでした。
良い人間関係を作る秘訣
高校卒業後プロの世界に入ると、想像以上にプロとの実力差を感じて最初の3か月ほどは落ち込んだ日々を過ごしたそうです。
そこで、高校時代の恩師が教えてくれたのが、「一年目は環境に慣れる。二年目は人間関係を極める。三年目からは仕事をする。」
一年目は、住んでいるところの近くにどんな店があるか、どんな生活パターンなのか、環境に慣れることが大切。
二年目の人間関係についてはこんなコツがあるそうです。
・この人はこれが好き、この人はこれをやったら怒る、などを知る
人それぞれの個性を見極めて接し方を学ぶということだと思います。
・いいなと思う人(先輩)を見つけて、どういうトレーニングをしたらいいのか、どうやったらよいかを見て、ついていく
この究極がイチロー選手の背中を追いかけて行った今の大リーグでの活躍なんでしょうね。イチロー選手とトレーニングしているニュース映像を見かけると、イチロー選手も凄く楽しそうに笑っているので、ムネリン先生には憧れの人をも楽しくさせる魅力があるんだと思いました。
イチローを見て体の華奢な選手も野球で活躍できると知る
野球選手を目指すには体が小さいのではないかと悩んでいたムネリン先生を救ったのがイチロー選手の活躍。
同級生が教えてくれて「イチロー?苗字じゃないなんて変だな。」と思いながらTVを見てみると、当時野球選手としては華奢だったイチロー選手が活躍している。それを見て夢中になってファンになり、やっぱり野球選手を目指そう!と決めたそうです。
野球選手になれなかった時のことも考えて、電気系の資格も取得。
大学へ行って体を作ってからプロを目指そうと思ったら、高校卒業後にまさかのドラフト指名で焦ったという話でした。
レジェンドと呼ばれる人と接して気付いたこと
イチロー選手など、レジェンドと呼ばれる人と接して気付いたことは?という学生からの質問がありました。
・イチロー選手も僕と同じパスタやウナギが好き。(レジェンドと呼ばれる人も)みんな普通の人。やっていることがすごいだけ。
・君もレジェンドになれる!僕もレジェンドになれるように頑張る!
レジェンドも自分と共通点があるんだと気付けば、同じようになれる!とムネリン先生らしい前向きなメッセージでした。
野球でミスした時どうやって立ち直る?
会場に来ていた小学校4年生男子から「野球でミスをした時に立ち直るには?」という質問がありました。
・ミスをしたら、立ち直っていなくても大丈夫。悔しい気持ちを持ったまま、そのままで練習を続ける
・悔しい気持ちを持っていたり、立ち直っていなくてもいい。
「だって俺らはHumanだから!」
ここで会場がどっと沸きました。
私はこの日の講義の中で、この応答が一番印象に残りました。野球に限らずミスをしたり失敗をしたりした後は、立ち直れなくて次の行動ができなくなって困ることが多いと思うんです。
そこで、悔しい気持ちを否定しないのが大事なんですね。悔しい気持ちを否定しない、そしてその気持ちは持ったままで次に行動することをやめない、これがムネリン先生が愛されて成功している秘訣なんじゃないかなと思いました。
講義の冒頭にもあった「ネガティブも大切」ということとも共通していて、ネガティブは持ち合わせたままチャレンジを続けることが大切なんだ、と新しい発見がありました。
相手を先に褒めるコミュニケーション
講義の後の質疑応答でも、さっと手を挙げた学生には「お!そういう前に行くところいいね!それが大事なんだよ。」対談相手の先生にも「先生、今のは勉強になりました。早速使ってみます。」と相手の良いところに気付いたら、さっと表現するムネリン先生でした。
話しやすい状況になって、お互いにコミュニケーションを取りやすくなる
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会話が増える
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楽しくなる
の好循環、私も見習いたいと思いました。
この日講義を受けて、さらにファンになりました。また講義を受けるチャンスがあったら是非行きたいと思います。
2016年、カブスの川崎選手も応援します!