織田信成さんが提訴:嫌がらせやモラハラで自律神経失調の症状・うつ病に近い症状はどんなにメンタルが強い人でもなる:状況と対策について

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プロフィギュアスケーターで解説者・タレントの織田信成さんが関西大学のコーチを提訴したニュースが話題になっています。

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織田さんに賛同する人が多い一方で「モラハラで体調を崩したり職場・学校に行けなくするのはその人が弱いからではないか?」という意見があったり、記者からも「”そんなことで”(提訴するなんて)と思う人がいるかもしれませんが」という質問がありました。また、大学側からも「シーズン中の今提訴するなんて」と被害者を責めるような言葉もありました。

今、モラハラなどの対人ストレスから自律神経の調子を崩したり、うつ病のような不定愁訴の症状が出ることは社会でも大きな問題になっておりどんな人にでも起こり得ることです

ましてや、織田さんの場合はオリンピックや国際大会で活躍した一流アスリート。元々メンタルが弱い人ではなく、逆に、どんな逆境でも立ち上がってきた強い人だと思います。そのように強い人でも、モラハラなどの対人トラブルで体調を崩すことは多いにあります

自身の意見を言えない立場にある人の場合、場合によっては命を落とすこともあるぐらいです。現代の重要な社会問題の一つでもあります。

実際のモラハラの現場ではどのようなことが起こってどのような症状が出るのか、そしてモラハラにはどう対処していけば良いのかについて書いていきたいと思います。

(パワハラと似た言葉ですが、織田さんご自身は”パワハラ”という表現は使っておらず、”嫌がらせ””モラハラ”という言葉で表現されています。)

モラハラや嫌がらせについて自分から立ち上がった織田信成さんの言葉とモラハラ(モラルハラスメント)の内容

織田信成さんが2019年10月4日にご自身で更新したブログ記事はこちらです。

ameblo.jp

織田さんのブログ記事によると、モラハラ(モラルハラスメント)の内容とは以下のようなものです。

濱田コーチから嫌がらせが行われたのはこの話し合いから少ししてからでした。最初は全く目線を合わせず挨拶を無視され、私の見える場所から陰口を叩かれ、私が近くを通ると話すのをやめるような行動が続きました。時々濱田コーチから挨拶されたりなど、理解できない行動もありました。私が好き勝手やっているような嘘の事実が噂となり、私の耳にも入るようになり、ショックを受けました。その後もリンク上で突然怒鳴られたり、また違う話し合いの場では意見を否定され続け、私を傷つける言葉も言われました。その場には関西大学関係者の方々が複数人いらっしゃり、ある方は心配して顧問に連絡を下さり、私に報告がありました。この時なぜこのような事をされるのか分からなくて、ただ涙が止まらなくなりました。 5月末、実施前の新しい部則のご説明にあがる前に、事前にどこかから入手した部則の内容が気に入らず、嫌がらせがエスカレートしました。私自身気にしないようにしていましたが、ある日リンクに行くと、耳鳴りや身体の震えがおこり、目眩で氷の上に立てなくなりました。濱田コーチからは以前にもリンク上での危険な練習について止めてほしいとお願いした所、激高された過去があったので、慎重に物事を進め耐えうる覚悟でしたが、心よりも身体が先に悲鳴をあげ、私の未熟さゆえ対応しきれずリンクに行く事が出来なくなりました。 リンクに行っていない間も、濱田コーチが関西大学関係者に「織田が私を辞めさせようとしている」とお話されたようで、副学長からスケート部顧問にその事実を確かめる問い合わせがあったと、顧問からご報告を受けました。 2月からの約4ヶ月間、向けられる敵意に恐怖を感じていました。

具体的には、無視・陰口・噂・怒鳴る・否定し続ける・傷つける言葉を言う、嫌がらせがエスカレート、大学関係者に告げ口、といった内容が綴られています。

最初は個人的な無視だったのが、他人を巻き込む形での陰口・噂、そして怒鳴るなどの行為になっていったようです

現時点ではコーチ・大学側の会見やコメントがありませんので、どのような証拠がありどちらが正しいのかという判断は裁判で明らかになっていくと思います。

意見の相違自体が問題ではなく、話し合いができない状態・相手に居場所をなくす行為がモラハラ(モラルハラスメント)

「部の活動について違う意見を持っている」こと自体は悪いことではないのですが、コーチからの無視から始まり、他人を巻き込んだ陰口・噂と大きくなり、織田さんは監督として「意見が言えない状態」「活動ができない状態」になっていったと考えられます

一人対一人の人として意見交換できる状態にあるなら良いのですが「周りの人を巻き込んで相手が意見を言えないようにする」「相手がその場にいられないように孤立させる」「その場で活動できないように追い込む」といった行為はモラハラにあたります

織田さんの場合は職場(今回の場合はリンク)へ行くと無視されたり怒鳴られたりして、いたたまれない状態になり、仕事自体ができない状態となっていったと思われます。 また、織田さんは、モラハラの件を明らかにする前、ブログ記事で自分で倉庫を借りてトレーニングできる場所を作っていたことも書いていて、海外からトレーニング用具を取り寄せて、生徒をそこで教えていたようです。

特にフィギュアスケートの場合はリンクがある場所でしか活動できないことから、逃げ場がないわけです。監督という立場上、生徒を預かっているわけですし、プロスケーターとしての練習でもリンクを使わなければなりません。

また、他の人がいる前で無視・陰口といった行為があると、傍観している人(直接関与していないがその場にいる人)全員が敵に思えるような辛い立場だったのではないでしょうか

織田さんは「意見が言えるような状態ではなかった」と会見で言っていたことから、怒鳴られたりしても言い返すこともできなかったと考えられます。これは「監督」という立場はありながら、キャリアがあるコーチよりかなり弱い立場に置かれていたからだと思います

ここで我慢強い人ほど、一人で耐えて職場や学校へ行ってしまうのですが、身体の方が正直です。

モラハラのストレスが自律神経や三半規管に支障をきたして高熱やめまいなどの症状につながったと考えられます。短期間で回復するのも難しいと思うので、会見した時点での織田さんの体調がまだまだ心配ではありますが、一人で提訴という形で踏み切るには相当勇気が必要だったと思います。

なぜ織田信成さんはシーズン中の今、提訴に踏み切ったのか?

ニュースの情報番組のコメンテーター(元オリンピックメダリスト)の方や、関西大学が「シーズン中の今提訴になぜ踏み切ったのか?」「今提訴するのは残念」といった表現をしていたようです。

事実、織田さんは夏頃からモラハラがあったこと、体調を崩したのが監督を辞退した理由であることを明かしていたので、大学側が対応するのに何か月もあったわけです。シーズン前の解決を目指して夏頃に監督を辞退した理由を明らかにしたのに、コーチ側・大学側が何もせずにそのままにしてしまったことが正当な理由ではないでしょうか

今、立ち上がらなければモラハラはなかったことになってしまい、大学側が言うように「織田さんは自己都合(忙しいから)監督を辞退した=他の場所でもコーチ業をする意思がない」とみなされてしまうと危機感を持ったと思います。

実際モラハラで体調を崩したら、どうすれば良いのか?対策を考える

今回、織田信成さんは自分の言葉を使って「ブログ」「Twitter」で自分の感じたことを語り、会見で「提訴して裁判する」という解決方法を目指しています。ニュースのタイトルでは「○○万円を求めて提訴」となっていますが、実際は、話し合いの場を設けたい、これからも(どこかで)コーチ業を続けるなら今の問題を解決したい、実際にあったモラハラをなかったことにしたくないという強い意思が感じられます。

モラハラは一般社会でも起こりうることで、「反論できず我慢する人にイライラをぶつける」「無視したり暴力をふるった後、急に優しくして逃れられないようにする」「経済的に弱い立場にいる人を束縛する」など様々な状況があります。

そういった時は、まずは問題を起こす人物と離れられたら一番なのですが、すぐに離れられない場合は、今回の織田さんのように外部に相談するという対処をしてくことが大切ではないでしょうか。

実際に周りに相談できる人がいない場合は、匿名でも良いので市町村の公共の機関に助けを求めるなど、一人きりになって自分を責めたりしないことが大切だと思います。

今回織田さんは勇気を出して会見を開き提訴することを明らかにしたわけですが、それでも「弱いのでは?」「本当なの?」「なぜ今?」と責めてくる人もいます。万が一そういった人に相談してしまった場合は、すぐに離れる、別の信頼できる人に相談する、など他の選択肢を視野に入れることも大切です。

織田さんの問題がどのように解決していくかはまだわかりませんが、まずは意見を交換する場所を正式に持つ、という選択肢をとったことが一歩前進ではないかと思っています。

(著者の心理学バックグラウンドはカリフォルニア大学バークレー校心理学卒業です。心理学に基づいて執筆しています。医療従事者ではありません。)

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