元KARAク・ハラさんが苦しんだネット(SNS)の誹謗中傷コメントとうつ病のこと:過剰なストレスは人の命を奪う

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先日元KARAのク・ハラさんが自殺で亡くなったというショックなニュースが流れました。私もKARAのファンクラブ(Kamilia)に入っていたぐらいファンだったので今もずっとハラさんのことを考えています。

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韓国では若い芸能人の自殺が相次いでおり、SNSやネットでの執拗で辛辣なコメントの数々に苦しんでいる人がとても多いです。これから同じことを繰り返さないためにも、ハラさんに何が起こっていたのか、うつ病とは何か、これからどうやってネットやSNSを使っていけば良いのかについて考えたいと思います

ハラさんに何が起こっていたのか:2018年から2019年にかけて起こったトラブルと自殺未遂、そして活動復帰

2018年から、ハラさんの身の回りでは沢山のことが起こっており、私が知る限りでも、元彼によるリベンジポルノ・それに伴う裁判・ネットやSNS上での賛否両論のコメントの数々・事務所との契約終了で韓国で仕事の活躍の場を失う、など一人で対処しきれないぐらいのストレスを抱えていました

また、SNS上では「整形したのではないか」と責めるようなコメントが多かったことにも心を痛めていたそうです

2019年5月に自殺未遂のニュースがあってからずっと心配していたのですが、ハラさんがその後すぐに発表した内容は「これからも前向きに頑張る」ということでした。活動の場を日本に移すことに伴い6月頃日本へ引っ越ししました。

ハラさんがすぐに復帰表明したことで、さらに心配になりました。というのも、自殺未遂した状態の人に必要なのは「完全な休養」であって「新しい活動」ではないからです。

秋から日本で本格復帰ということでしたが、その直前の10月に親友のソルリさんが自殺で亡くなりました。ハラさんはインスタグラムのストーリー(期間限定で視聴できる短い動画)で、泣きながらソルリさんへ追悼の言葉を送っていました

親友のソルリさんがSNSコメントに心を痛めて自殺したことは、自殺未遂から立ち直ろうとしていたハラさんにとって耐えられないほど辛かったと思います。

この時点で、秋に日本で新曲のプロモーションをしたりコンサートをしたりするのは無理ではないかと思ったのですが、ハラさんはソルリさんに誓ったとおり、笑顔で日本の番組出演に出演して11月19日まで日本各地のZeppでコンサートツアーを行い、全てのスケジュールをこなしました。

自殺未遂の後は元気そうに見えたのになぜ?

ハラさんは10月から11月の日本での番組出演やコンサートの時、元気そうに見えたといいます。(バックステージでは、ハラさんを一人にしないようマネージャーや周りの人たちが気を配っていたそうです。)

KARAの元メンバーのハン・スンヨンさんもハラさんが亡くなる数日前に食事を一緒にしたそうです。

「元気そうに見えたのになぜ?」

急に誰かが自殺して亡くなった時、周りの人誰もが自分を責めますし、なにかできることはなかったかと後悔すると思います。

ハラさんは、対処しきれないほど沢山のストレスを抱えて自殺未遂するほど辛かったのに、それでも頑張らなくてはいけないという状態に追い込まれてしまったのではないかと思います。

「大丈夫?」「コンサートは続けられる?」と聞かれたかもしれませんが「本当は今は活動できない」と言えないぐらい判断力を失っていたかもしれません。

大切なファンや友達を悲しませたくないという責任感ある思いから、精一杯笑顔で元気に振る舞っていたと思うと辛いです

ハラさんはプロの芸能人ですから、どんなに辛い状況でもお客さんの前では辛さを一切見せずに、笑顔で歌い、ダンスしたのだと思います。

「これからもコンサートをしたい」「東京ドームを目指したい」といった前向きな発言や、コンサートでの感謝の言葉や涙も本当の気持ちだったと思いますし、同時にそれ以上の辛さがあったのも事実だと思います。

そして、韓国の自宅に帰って一人になったところで、それ以上耐えきれなくなったのだと思います。

うつ病は心の病気ではなくストレスが原因の脳の病気:性格の問題ではなく休養が必要

ハラさんは5月に自殺未遂した時点でうつ病だったようです。

中には今回のことについて「ハラさんは繊細だったから(このような事態になった)」というような意見も見かけたのですが、ストレスでうつ状態になることは状況次第で誰にでも起こりうることで、ハラさんの元々の性格の問題ではないと思います

人はうつ状態になると脳にセロトニンという物質が足りない状態になってしまいます

この状態になると、「正常な判断ができない」「優先順位をつけられない」「全てが自分の責任であると責める」「悪い未来しか考えられなくなる」「死にたい(希死念慮・自分には価値がない)ということしか考えられなくなる」といった症状が現れます。

ハラさんの場合は親友を失い、そしてSNSなどネットでのコメントは引き続き批判的なものもあり、ストレスが増え続ける中での仕事復帰となってしまい、一人でいた時は様々な苦しみと戦っていたのだと思います

今まではメンタルヘルスの問題は「気の持ちよう」「気持ちが弱い」「性格が原因」と言われることも多かったのですが、現在は科学的にもストレスで脳内物質の分泌に変化があり体調を崩すことが判明しています

なので、決してハラさんの性格や人柄に問題があったからではなく、過剰なストレスで心身ともに辛い状態が限界だったのだと思います。

過剰なストレスや辛辣な言葉は人の命を奪うこともある

現在、誰でも匿名でネット上でコメントできることもあって、有名人のSNSやブログに辛辣な言葉やコメントが残っているのを多く見かけます。

有名人の場合、一人の人に何千件も何万件もコメントがつく場合があります。そして、批判コメントの殆どは匿名なので、毎日コメント欄を見るだけでも怖い思いやストレスを沢山抱えることになります

一般人の私でもたまに批判の範疇を超えたコメントを受け取ることがあります。(そういったコメントをする人の大半は鍵をかけた「鍵アカウント」だったり、自分のアカウントには何も投稿しておらず、ひたすら他人のアカウントにコメントだけ残し続けている「捨てアカウント」であるケースが多いです。)

一般人の私の場合は、怖いコメントを受け取っても数が限られているので削除するなど対処することができるのですが(それでも一日中なんとなく嫌な気分になってしまいます)、有名人の場合は数が多くて対処することもできず、言われるがままコメントが残り、ずっと辛い思いを我慢していることが多いです

趣味でSNSを使っている場合は、アカウントを消してその場を去るという選択肢もあるのですが、芸能人など著名人の場合、SNSで活動すること自体が仕事の一部となっているため、やめることもできず、かと言ってコメントを削除するとさらなる炎上につながることもあり、対処がとても難しいのが現状です。

【一人一人ができること】他人のSNSアカウントに誹謗中傷コメントがついているのを見つけた場合は運営に通報して削除依頼することもできる

インターネットやSNSは、いつでも誰とでもつながることができてとても便利なツールですが、人の命を奪うツールになってはいけないと思います

もし、人を傷つける言葉をSNSで見かけた場合は運営会社に「通報」「削除依頼」することもできますので、誰か困っている人を見かけたら積極的に運営会社に「通報」や「削除依頼」をすることでなにか少しでも変わるかもしれません

私も、ハラさんのインスタグラムで見かけた誹謗中傷コメントについてはインスタグラム運営に「報告」して「ヘイトスピーチ」として削除依頼をしました。

最初は「ガイドラインに違反していない(削除しない)」という回答がインスタグラム運営から来たのですが、数日後にハラさんの自殺の原因の大きな要因の一つがSNSコメントであったことが報道されるようになってからは、インスタグラムから「コメントを削除しました」という連絡が届きました

【一人一人ができること】困っている人を見かけたら声をかける。ポジティブな言葉かけを多くする

また、何か一言でも良いので困っている人を気遣う言葉をかけるのもとても大事だと思います。一人一人にできることは小さなことかもしれませんが、確実に世の中を変えていくと思います。

そして、身近に休養が必要そうな人を見かけたら、「無理しなくていいからね」「休んでいいんだよ」と声をかけられる世の中になっていけたら、と思います

ハラさんのことについては、私もまだ気持ちの整理がついておらず、今も悲しい気持ちでいっぱいです。何かこれからできることがあれば行動に移していきたいと思っています。追記できることがあればしていきたいと思います。

追記:韓国のSNSでの匿名コメントについて実名公開への討論が始まる&一部のニュースサイトで匿名コメント欄を閉鎖した

韓国では、相次ぐ芸能人の自殺を受けて、SNSでの匿名コメントに規制をかけようという討論が始まっているそうです

「実名公開でコメントすれば良いのではないか」という意見もあれば、「言論の自由を規制することになる」といった反対意見もあり、法律整備まではまだまだ時間がかかりそうですが、韓国芸能界特有の社会問題であることが認識されはじめました。

また、韓国の一部のニュースサイトでは匿名のコメント欄の閉鎖を決めたそうです。

私が先日読んだニュース記事によると、韓国では2000年以来40人もの芸能人が自ら命を絶っているそうです。事情はそれぞれ違うとはいえ、尋常な状況ではありませんので、早急な対応が必要だと思います。

(今も既に何人かの韓国の芸能人が、度重なる誹謗中傷によるストレスでうつ病に苦しんでいることを告白しています。)

追記:リベンジポルノ動画の法整備について韓国大統領府への署名を集めているファンがいる

ハラさんが最も苦しんだと思われるリベンジポルノの裁判についてです。

リベンジポルノの動画を裁判官が視聴して裁判を進める必要がある、ということで、いつまでもリベンジポルノの動画が残っていることがハラさんの最大のストレスだったと思うのですが、「法改正をしてほしい」とファンが韓国大統領府宛に署名を集めています

複数の方が署名を集めていて内容が少しずつ違うため、この記事ではURLを公開しませんが、Twitterなどで「ハラちゃん 署名」「ハラ 署名」などで検索すると出てきますので、もし賛同できる署名活動があったら参加してみてください。

一人一人が何か一つでも良いアクションを起こせば、これからの世の中を変えていけると思います。

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