【ネタバレあり感想】実写版ドラマ「精霊の守り人」第2話「王子に宿りしもの」:バルサとチャグムの宿命が重なった瞬間【綾瀬はるか】

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先週に引き続き、人気ファンタジーの実写版ドラマ「精霊の守り人」第2話の感想を書いていこうと思います。

王子チャグムに宿ったものが精霊の卵であることがいよいよ明らかになり、それぞれがチャグムを守るため動き出します。一方、自分の宿命をチャグムはどのように受け止めるのでしょうか。

【↓以下ネタバレありですので、まだご覧になっていない方はご注意ください↓】

第2話「王子に宿りしもの」

バルサの過去とチャグムの宿命がぴったり重なった瞬間

今回の第2話では、精霊の卵の秘密を探るため各キャラクターが動き出すところがストーリーラインとして描かれていましたが、中でも最大の見どころはバルサの過去とチャグムの宿命がぴったり重なった瞬間だと思いました。

先週の第1話から、丁寧に描かれていたのが少女時代のバルサと養父ジグロの場面です。要所要所で、過去のバルサの場面が現在と交錯するように出てきました。

第2話では、少女時代のバルサが、人を殺さなければ自分は生き抜くことはできないのだと自覚します。養父ジグロからは、「自分の居場所を守るためにためらうな。一瞬たりもだ。」と厳しく言われ、自分にはそうするしか生き抜く道はないのだと理解しながらも、人の命を奪う辛さと、これからもそうし続けなければならないという自分の宿命に号泣します。

「あさが来た」でしとやかで上品な女性ふゆを演じた清原果耶さんが、今回は野性的な少女バルサを演じています。生き抜く力をつけていく野性味あふれる目をしたバルサの演技が素晴らしいと思いました。

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一方チャグムも、自分に宿ったのは精霊の卵であることを知り、自分が背負ってしまった宿命の重さに押しつぶされそうになります。 自分が生まれてきたのは何のためなのかと叫ぶチャグムに、バルサはこのように声をかけます。

「おまえが生まれてきたのは今ここで生きるためだ。生きることを恐れるな。それが一番恐ろしい魔物だ。」

自分ではどうすることもできない重い宿命を背負ってしまったチャグムのために、バルサが唯一できることは、生き抜く方法を教えること。少女時代の自分が宿命を知って号泣した瞬間とぴったり重なり、チャグムを守るだけでなく、生き抜く力を教えることを決意します。

「私を化け物だと思って打ちのめしてみろよ」

養父ジグロがバルサに教えた生き方は厳しいものでしたが、それこそがバルサの命を守ってきたと実感し、それこそが今まさにチャグムが必要としていることだと、短槍の技をチャグムに手ほどきします。

和みポイントはタンダ

厳しい状況が続きハラハラする視聴者をほっとさせたのがタンダの登場。タンダがチャグムに優しく接する場面はとても和みましたよね。

チャグムへの優しさを行動として表現するのがバルサなら、丁寧に言葉で表現するのがタンダです。バルサの優しさをチャグムが誤解しないように「バルサは強いんじゃない。弱いのが嫌いなんだ。弱いと生きられなかったからね。」と小屋で話します。

この場面にほっとしました。バルサとチャグム、タンダの三人が歩いて旅をするシーンもとても美しかったです。

(ロケ地について詳しくはこちらのブログにまとめました⇒ 【随時更新】ドラマ「精霊の守り人」ロケ地(撮影場所)はどこ?ロケ地情報まとめ【実写版NHK大河ファンタジー】 - さんぽガーデン)

タンダが鍋を作る場面が出てきましたが、この鍋のレシピは「バルサの食卓」という本で紹介されています。ファンタジーでありながら、料理や文化、風景や小物がリアルで再現性があるのは、原作者の上橋菜穂子さんが人類学者であることから、人が土地に根差す生き方を大切にしているからだと感じます。

ビジュアルとして印象に残ったシーン

今回、ビジュアルとして印象に残ったシーンがいくつかあります。

1)ナルンガのことをヤシロ村のニナが話した瞬間

タンダ・チャグム・バルサの3人がヤク―が住むヤシロ村で、水の精霊について尋ねていたところ、少女ニナが、ひいおばあちゃんから伝え聞いた話としてナルンガと呼ばれる化け物が精霊の卵を狙っていると話します。

ニナ「卵食いのナルンガがやって来るんだって」

その瞬間、村人たちがハッとした表情で振り向いた瞬間が何度も映し出されたのですが、その瞬間の不気味さと怖さがリアルでした。

2)トロガイがバルサに森の中で走り寄る

トロガイが森の中でバルサに話しかける瞬間、腰を曲げてガニ股でザザザッとにじり寄って来るシーンがありました。その時の腰の曲がり具合とザザザッと早足で歩いてくる様子に思わず惹きつけられてしまいました。

バルサとジンが戦う場面では、背後で何食わぬ顔をして鍋を食べるトロガイが一瞬映し出されました。水の民ヨナ・ロ・ガイと話していたトロガイのシーンも印象深かったのですが、何食わぬ顔で鍋を食べるトロガイの一瞬も印象深かったです。

3)日本の壮大な自然が映し出された旅のシーン

日本発のファンタジーとして実写化された「精霊の守り人」。ファンタジーは壮大な自然が舞台となっていますが、その風景は日本の美しい自然を元に制作されています。第2話ではそんな美しい自然の風景が映る場面が多く、”日本にこんな美しい場所があるんだ”と実感しながら楽しむことができました。

先週の第1話を観てからロケ地が気になって調べたものをブログ記事にまとめています。
【随時更新】ドラマ「精霊の守り人」ロケ地(撮影場所)はどこ?ロケ地情報まとめ【実写版NHK大河ファンタジー】 - さんぽガーデン

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4)少女バルサのアクション

綾瀬はるかさん演じる大人のバルサの森の中のアクションシーンが素晴らしく、重心を低くした短槍使いとキレのある動きが最高です。物語にぐっと集中して見入る要因になっています。

それと同時に、今回印象に残ったのが清原果耶さん演じる少女時代のバルサのアクションシーンです。戦いながらも、自分の宿命への戸惑いと覚悟が見事に表現されていると感じました。

5)ヤシロ村のおじいさんノーヤさんの髪型や衣装

ノーヤさんの髪型や衣装が村の様子とマッチしていて、森の奥で独自の文化を保ってきた民族の人物であることが一目で分かりました。ノーヤさんの雰囲気も好きで、ヤシロ村全体に歴史の流れを感じました。

6)帝の玉

帝の玉が、キィーン!と鳴るシーンは、私も思わず「おぉ!」とやられそうになってしまいました。

帝の気品あふれる立ち居振る舞いと迫力、衣装の裾捌きなど、色々と見入っています。今回はブルーから白い服へと衣装チェンジがありました。

まとめ:ドラマ「精霊の守り人」はドラマ版ならではのキャラクター作りで世界に届けられるソフト

先週に続いて物語に引き込まれ、途中からは、俳優の名前も忘れて「精霊の守り人」の人物としてそれぞれのキャラクターを見ていました。

綾瀬はるかさんがドラマガイドでの原作者の上橋菜穂子さんとの対談で語ったところによると「私も原作を読んで、アニメを見て、バルサのイメージができてしまっていたので、違う方向性になったことに戸惑ってしまって。ですから、最初は、監督とすごく話し合って、ひとつひとつの仕草を決めていました。」と、ドラマ独自のキャラクター作りをしていることを明らかにしています。

ドラマならではのキャラクターたちが動き出した「精霊の守り人」。第3話ではさらに成長するチャグムの姿も見ることができそうです

制作統括・チーフプロデューサーの海辺潔さんによると、「映像化して世界に届けられるソフトだということ」で精霊の守り人をNHK90周年の作品として選んだそうです。私も、ドラマ版「精霊の守り人」が世界中のファンに届くといいなと思っています。

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