日本での劇場公開(2016年2月19日)から意外と早くNHKで放送されたBBC特別編ドラマ「Sherlock The Abominable Bride シャーロック 忌まわしき花嫁」。
TVドラマシリーズ「SHERLOCK」のシーズン3が終了してから次はいつかいつかと待ち遠しかったこの日が遂にやってきました。
TVシリーズのベネディクト・カンバーバッチ&マーティン・フリーマン版のシャーロック・ホームズとジョン・ワトソンは、スマホやパソコンを駆使して今の時代のロンドンで大活躍していますが、今回の特別編「Sherlock The Abominable Bride シャーロック 忌まわしき花嫁」は設定が19世紀(1895年)のビクトリア朝のイギリス・ロンドン。
二人の衣装だけでなく当時のイギリスの人々の生活の様子や時代背景も忠実に再現されており、「SHERLOCK」シリーズに新たな傑作が誕生しました。
今回は特別編ドラマ「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」の感想を書いていきたいと思います。
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自分を撃ったはずのエミリア・リコレッティが生きている?
19世紀の花嫁衣装に身を包んだ女性エミリア・リコレッティが公衆の面前で銃口を自分に向けて一発撃って自殺。
そこで死んだはずなのに、それから何度も目撃されて、次々と殺人事件が起こる…。
そんなところから物語はスタートします。
エミリアのメイクが不気味な一方、レースをふんだんに散りばめた当時の花嫁衣装が美しくてそこにも注目してしまいました。
特別編「忌まわしき花嫁」ならではのユーモア
レストレード警部を久々に見た感想は…というと、もみあげが可愛かったです。レストレード警部は、和みキャラですよね。
シャーロックはレストレード警部本人の目の前で、仕事ができない…など散々なことを言っていますが、なんだかんだでいつも協力し合っているところが良いなと思います。
そして、忘れてはいけないのがワトソンのヒゲ。
ヒゲ先がくるんとしていて、こちらも19世紀のイギリス紳士の様子が表現されています。カッターの襟も丸い。チェック柄のネクタイとストールもおしゃれです。
今回のドラマの衣装やメイクで一番のお気に入りとなったのがワトソンの風貌です。
シャーロックがペラペラの手話で話す横で、めちゃくちゃな手話で会話に参加するワトソン。
相手に「醜い」なんて言ってしまいました!でも、動きがコミカルで悪意はないことが伝わっていそう…!?
スーパーメガサイズのマイクロフトの登場には驚愕しました。
「え…シャーロックってマイクロフト以外にもお兄さんいたっけ?」
最初誰だか分かりませんでした。もう爆笑するしかない…。
そんな時にマイクロフトが残したこの事件へのキーワードは、 「負けるべき戦い」。
自殺したはずのエミリア・リコレッティと「負けるべき戦い」はどう関係するのかこの時点ではさっぱり分からず、シャーロックの推理のスイッチが入りました。
ユースタスの屋敷がホラーハウス化!
ユースタスの妻・カーマイル夫人が、夫ユースタスにオレンジの種が送られてきた(アメリカでは処刑を意味する)ことから、ユースタスの身の安全を守るようシャーロックとワトソンに依頼。
残念ながらユースタスは殺されてしまいましたが、カーマイル夫人も何だか訳ありに見えます。
エミリア・リコレッティの姿が屋敷に現れ、実際に人が殺されてしまいました。
「うーん、どういうことだろう」と考えていた瞬間に、モリアーティが現れてびっくり。
殺人だけでも怖いのに、それよりさらにモリアーティの突然の登場に「びくっ」としてしまいました。
シャーロックは精神の宮殿にいた?現代と19世紀が交互に現れる
19世紀にいたはずのシャーロックやワトソンたちですが、シャーロックが我に返ったのは現代の飛行機の中。
「この特別編ドラマはシーズン3の終わりと繋がってたんだ!」
19世紀と現代が繋がってしまったらさらにややこしくなるはず…。そんなことも気になります。
シャーロックは自分は”精神の宮殿”にいたこと、そして19世紀の事件を解決できそうなことを伝えます。
そんな中、シャーロックが精神の宮殿に居過ぎると壊れてしまうかもしれないと心配するマイクロフトに共感します。
シャーロックと適度な距離を取りながらも、内心はかなり心配しながら見守っているマイクロフトの兄弟愛が素敵ですよね。
物語後半は、現代と19世紀が交互に現れて、リコレッティ事件の推理だけでなくシャーロック本人の内面の謎にもフォーカスされていました。
殺人犯リコレッティは、不当な扱いを受けた当時の女性たちの象徴
マイクロフトが「負けるべき戦い」という言葉で表現したとおり、エミリア・リコレッティはただの殺人犯ではありませんでした。
自分の意見を表現することすら許されなかった当時の使用人の女性たちが、組織を作って共謀して、一人の殺人犯と見せかけるよう仕立てあげた人物でした。
本物のエミリアは、アメリカでユースタスに無一文で捨てられたけれど、文句も言えなかった…。
”自分は病気で先も長くないから命も惜しくない”と、自分と同じように不当な扱いに苦しむ女性たちに加担したのでした。
参政権もなければ発言権もない。無一文にされても文句も言えない。
組織にいる女性たちが顔を隠した黒い衣装は頭の先が尖っていてKKKに似た風貌も感じさせました。個を感じさせない組織です。
その頭の仮面を脱いだ人々の中には見覚えのある面々が・・・。
カーマイル夫人、ワトソンの使用人、エミリア・リコレッティに扮して屋敷に現れた女性などなど。
”身分の違いで不当な扱いで苦しむ女性が、復讐のため殺人を犯すことを善とするか悪とするか”という複雑な事柄がテーマになっていました。
「兄は正しかった。負けるべき戦いだ。」
シャーロックの一言にすべてが集約されていた気がします。
それにしても、花嫁衣装の中からモリアーティが「じゃじゃん」と言って現れた時には「ちょっと!!!」と突っ込みたくなりました。
死んだはずのモリアーティはシャーロックが作り上げた?ドラッグの謎
リコレッティの墓に向かう現代にいるはずのシャーロックは、いつの間にか滝の前に倒れていました。
滝の前で迫り来るモリアーティはシャーロックに「死なないよ。君の頭の中では。」と不気味な言葉を残します。
モリアーティは不気味なのですが、視聴者として見ていても完全に嫌いではないんですよね。
シャーロックの中の迷いや恐怖を表現していたり、かと思えば推理を手助けしてきたりと、シャーロックが迷った時にはいつでも現れます。
シャーロック自身を表現しているとも言えるモリアーティは、シャーロックを追いかけてくるようでいて、シャーロック自身が自分の中から手放さないようなところもあります。
19世紀にいたシャーロックにワトソンが尋ねたのが「モルヒネ?コカイン?今日はどっちだ?」
このワトソンの台詞にシャーロックの精神の宮殿の秘密が隠されていそうです。
ドラッグを使用していたシャーロックは、だからこそ精神の宮殿でモリアーティを見たのか? 全てはドラッグのせいなのか?
謎は残ったままです。
ワトソンが滝の前でモリアーティを突き落とし、モリアーティは消えます。
ワトソンがいるからこそのシャーロック
精神の宮殿から現代に戻ってきたシャーロックの様子を見て、マイクロフトが言ったのが「ワトソン先生、弟をどうかよろしく。」
今回もワトソンの助けがあったからこそ、シャーロックは自分の中のモリアーティと決別することができました。
推理では万能に見えるシャーロックも、ワトソンとマイクロフトが後ろからしっかり支えているから活躍できるんですよね。
二人がいるのは19世紀と現代のどちら?
現代に戻ってきて事件も解決、モリアーティとも決別できたのですが、最後に「僕は時代を超える男だから」と話していたシャーロックが何だか気になります。
シーズン4は、また現代のベイカー通りに住むシャーロックとワトソンが描かれそうですが、二人が本当に暮らしているのは19世紀のロンドンなのではないかとも思えてきます。
シーズン4へのキーワード
物語の最後にちらっと映ったのがマイクロフトのメモ。
「赤ひげ(REDBEARD)」と四角でかこった大文字で記されています。
数字も下に書かれています。ここはシーズン4の事件のヒントになりそうですよね。
まとめ
「忌まわしき花嫁」と題した今作は、自殺したはずのエミリア・リコレッティの謎だけではなく、使用人の女性たちが不当な扱いを受けていた19世紀イギリスの歴史的背景も描かれました。
また、リコレッティ事件と並行して、モリアーティを自分の中から消せずにいたシャーロックの内面の謎にも迫り、現代と19世紀を交錯するスピード感に惹きつけられました。
ワトソンがシャーロックを人としてよく理解しているからこそ力になれることが証明されたエピソードでもありました。
ユーモア溢れるシーンも多々あり、シャーロックファンにはたまらない場面のオンパレードでしたよね。
シーズン4は2016年4月より撮影開始されたとBBCから発表になりました。次のシーズンも楽しみです。
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