ドラマ「精霊の守り人」衣装はどこの国がモチーフ?衣装に隠された秘密に迫る【柘植伊佐夫・NHK大河ファンタジー】

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人気ファンタジー「精霊の守り人」がNHKで実写版ドラマになり、ストーリー・ロケ地とともに気になったのが、キャラクターの衣装で表現されている新ヨゴ国の世界観と文化です。

キャラクターの文化背景や立場ごとに全く違った衣装が使われており、衣装の秘密を探ることで、より「精霊の守り人」の世界観への理解が深まりそうです。

人物デザイン監修の柘植(つげ)伊佐夫さん、演出の片岡敬司さんのインタビューを交えながら、衣装の秘密に迫ってみたいと思います。

ドラマ「精霊の守り人」衣装の秘密に迫る

「精霊の守り人」物語の時代感は飛鳥時代から平安初期?古代日本の空気感をドラマに反映

人物デザイン監修の柘植さんが、演出の片岡敬司さんから聞いたところによると、物語の時代感は「日本でいうなら飛鳥時代から平安初期あたりかな」という答えだったそうです。

(【参考】⇒柘植伊佐夫さん インタビュー|精霊の守り人|NHK放送90年 大河ファンタジー

時代は飛鳥時代と想定しながらも、日本でもなくアジアのどの国でもないファンタジーの世界である「新ヨゴ国」。

どこにも存在しない世界でありながらも、人が土地に根ざして暮らしている様子を衣装で表現するには、歴史感や文化背景を一目で感じさせる工夫がされているのではないかと思います。

アジア各国を実際に巡って「新ヨゴ国」の文化を探る

上橋菜穂子さんの原作から想像するだけでなく、実際に世界各国を訪れて、衣装考証が行われたそうです。

人物デザイン監修の柘植さんは実際に伊勢神宮から熊野近辺を旅して、「精霊の守り人」の人物像に反映したと語っています。

その制作の過程で思い出深いのは、伊勢神宮から熊野のあたりを旅したこと。進行と土地の関係性や原子宗教的なものを肌で感じることができました。熊野ではいくつかの神社を訪れましたが、山の中なので行くのもひと苦労で、その大変さが体の中に入ったのがよかったですね。きっとチャグムとバルサも大変な思いをしたんだろうなと(笑)(引用:NHK放送90年 大河ファンタジー 「精霊の守り人」SEASON1 完全ドラマガイド (エンターブレインムック)

私も昨年伊勢神宮に参拝する機会があり伊勢を訪れたのですが、森の中にある伊勢神宮境内の凛とした空気感や、シンプルでありながら自然に根ざした伊勢神宮のたたずまいにはっとさせられました。

その古代日本の空気感がドラマ「精霊の守り人」に反映されているのではないかと感じます。

取材を重ねて人物像や風景を作り上げる

また、演出の片岡さんによると、上橋菜穂子さんの原作「精霊の守り人」のリアリティを出すために、アジア各国を取材して回ったと言います。取材を行ったのは、ネパールやアジア各国の少数民族

私は、主人公バルサ達の服装から、ブータンやネパール・中国奥地の少数民族などの文化を感じました。

片岡さんはドラマガイドのインタビューでこのように語っています。

スタッフのみんなと標語にしていたのは「アナザー・ワールド、アナザー・ライフ。もうひとつのアジアで、もうひとりの自分を生きる」です。いろいろな文化をパッチワークのように組み合わせて、あったらワクワクする「もうひとつのアジア」を作る。そこにこだわってがんばろうと、みんなの力を結集させました。(引用:NHK放送90年 大河ファンタジー 「精霊の守り人」SEASON1 完全ドラマガイド (エンターブレインムック)

各キャラクターの衣装に隠された秘密とは?

ドラマ「精霊の守り人」放送開始前の”「精霊の守り人」のナゾをとけ!”という番組の中で人物デザイン監修の柘植さんが語ったところによると、各キャラクターの衣装の背景にはこんな秘密が隠されていたそうです。

・バルサのベストにはこだわりがあり、革の編み込みに一か月かかっている ・槍の先にモフモフをつけることにはこだわった
・聖導師の衣装の模様は、宇宙の星を表現した
・バルサの衣装は重みもあるが、市松模様の腰巻きが舞う姿がアクションシーンに映える(綾瀬はるかさんも同意見)

新ヨゴ国のキャラクターデザインは、「インド・中国・朝鮮半島というシルクロードを経て醸造された土地、イコール日本的なイメージで作られている」NHK放送90年 大河ファンタジー 「精霊の守り人」SEASON1 完全ドラマガイド (エンターブレインムック))そうです。

私は現時点ではバルサ・タンダ・チャグム(王宮を出てから)・トロガイの衣装が好きです。使い込まれた様子と、生地や重さを感じさせる雰囲気がたまりません。

主人公近辺の人物と共に、素敵な衣装だと思ったのがヤシロ村の村人たちの衣装です。第2話の感想にもこのように書きました。

ノーヤさんの髪型や衣装が村の様子とマッチしていて、森の奥で独自の文化を保ってきた民族の人物であることが一目で分かりました。ノーヤさんの雰囲気も好きで、ヤシロ村全体に歴史の流れを感じました( 【ネタバレあり感想】実写版ドラマ「精霊の守り人」第2話「王子に宿りしもの」:バルサとチャグムの宿命が重なった瞬間【綾瀬はるか】 - さんぽガーデン

反対に、王宮の人々は西陣織も取り入れた演劇的なデザインだそうです。

第1話で最初に出てきたチャグムの黄色い衣装を見たときには、台湾ドラマ「来来キョンシーズ」中国の清王朝最期の皇帝・愛新覚羅溥儀がテーマとなった「ラストエンペラー」を思い出しました。

実際にはチャグムの衣装は三蔵法師からイメージを得たとのことで、中国がテーマになっています。

帝の衣装も裾捌きが美しく見えるようにドレープがついていたり、動きを出すためにストレートロングヘアーだったりするとのことでした。

【参考】⇒柘植伊佐夫さん インタビュー|精霊の守り人|NHK放送90年 大河ファンタジー

まとめ

衣装の秘密を探っていくと、新ヨゴ国の歴史や文化背景など新たな一面が分かりました。

ドラマを見てから、人物デザイン監修の柘植さんや演出の片岡さんのインタビューを読む(聞く)と、さらに新ヨゴ国やキャラクターへの理解が深まり、新ヨゴ国にしっかりとした土台があることが感じられます。

これから3年かけて描かれる新ヨゴ国やキャラクター達の成長が、衣装によってどのように表現されていくのかも楽しみです。

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