【イベント参加】【海外ドラマ】小関由美さんによるイギリス人気ドラマ「ダウントン・アビー」トークショー@阪急うめだ 英国フェア

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近年世界中で人気のイギリスの貴族を描いたドラマ「ダウントン・アビー」。その「ダウントン・アビー」について、阪急うめだで開催中の英国フェアの一環として英国文化研究家 の小関由美さんによるトークショーが行われました。(2015年10月10日)

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画像引用:Downton Abbey, Season 4 | Downton Abbey | Programs | Masterpiece | PBS

目次

1.英国王室でも話題の人気ドラマ「ダウントン・アビー」

 ウィリアム王子とキャサリン妃もご覧になっているというダウントンアビーですが、NHK で放送が開始されてからというもの、私も1900年代初頭のイギリス貴族の世界にすっかり夢中になっています。NHKでは現在シーズン3まで放送が終わったところで、シーズン4の始まりが待ち遠しいです。(追記:その後、2016年になりシーズン4放送中です。)

今回のトークショーでダウントンアビーの見所、知っておくとさらにドラマが楽しめる当時のイギリスについての歴史背景が紹介されました

2.Upstairs &Downstairsの人々が織りなす人間模様

直訳すると「上の階と下の階」です。これは貴族は屋敷の上の階に住み、召し使いが使うキッチンや食堂は地下階にあったことから「貴族と召し使い」をさす言葉として使われているそうです。

ダウントン・アビーで面白いのは、貴族だけの世界が描かれているのではなく、召し使いたちの世界も存分に描かれていることです。禁断であった身分を超えた恋愛であったり、貴族も召し使いも同じようなことで悩んでいたりする人間らしさが物語の魅力となっています。

3.伯爵家の財産の行方と(伯爵家の)三姉妹の結婚

 限嗣(げんし)相続制が定められていた当時のイギリス。親族の男性の中で順位を決めて、その順位が高い男性のみが財産と爵位を継ぐことができるという制度です。

クローリー家は娘三人がいる伯爵家ですが、この娘たちには相続権がありません。誰と結婚するかに人生の全てがかかっています。

となれば、娘たちは誰と結婚するのか、そしてそれ以上に、誰が伯爵家を継ぐのかが大きな問題となってきます。

タイタニック号の沈没でまさかの事態となってしまうクローリー家。この一家がこれからどうなるのか、シーズン1の物語スタートからして視聴者をぐっと惹きつけます。

4.莫大な持参金を持ってイギリス貴族に嫁いだアメリカ大富豪の女性たち

シーズン1で唯一のアメリカ人登場人物である伯爵夫人コーラですが、当時は莫大な持参金を持ったアメリカ人女性がイギリス貴族の地位と名誉を求めて嫁いでくることが多かったようです。

先日NHK(BS世界のドキュメンタリー)で放送された「海を越えたアメリカン・プリンセス」でも、チャーチル首相の母親も当時同じようにアメリカから嫁いできた人であったことが紹介されていました。

www.nhk.or.jp

「海を越えたアメリカン・プリンセス」によると、商売で莫大な富を築いたものの地位がなく社交界でつまはじきにされていたアメリカ人と、地位と名誉はあるものの不況で没落しはじめて今までの生活が維持できなくなっていたイギリス貴族との需要と供給がぴったり合ったということでした。

(「海を越えたアメリカン・プリンセスもとても興味深かったので、また後日これについても書く予定です。)

4.下僕がfootmanと呼ばれる理由

他にも下僕がfootmanと呼ばれるようになった由来について小関さんからお話がありました。

馬車に付き添って走っていたことからrunning footmanと呼ばれるようになったのがきっかけだそうです。

ドラマの中でも第一下僕と第二下僕はいわゆる”長身イケメン”なのですが、実際も見栄えのよい人を選んでいたそうです。二人の身長が揃っていることも大切なポイントだったとか!

5.小物や衣装からも時代背景がよくわかるドラマ

ダウントン・アビーで楽しいのは何と言っても豪華絢爛な衣装の数々。

小関さんによると、シーズン1とシーズン3では10年ほどしか年月が経っていないにもかかわらず、衣装の流行が異なるそうです。

そういえば三姉妹の衣装はシーズン1とシーズン3では布地もシルエットも全く違っていました。

シーズン1ではハイウエストに薄い布、レースを多用したクラシカルなデザイン。うってかわってシーズン3ではスカート丈は短くなり、体を締め付けないデザイン。ギリシャ風が流行していたそうです。胸を小さく見せるようにしていたとか。面白いですね。

(追記:シーズン4にさしかかると、よりルーズでローウエストなシルエットに変化していますよね。衣装が毎回楽しみです。)
 

一方、ハリー・ポッターのマクゴナガル先生役でお馴染みのマギー・スミス演じる伯爵の母親バイオレットは、黒くて重そうな衣装を着ていることが多いです。

これは当時ビクトリア女王が早くに夫を亡くして喪服を着ていることが多かったことで黒が流行の色だったからなのだそうです。

ご年配の女性だからかと思っていたのですが、ちゃんと理由があったのですね。

 
 

もっともっとお話を伺いたかったですが、あっという間の30分でした。ダウントン・アビーについてはさらに考察したいです。

 小関さんの著書の中で、おすすめの一冊はこちら。国会議事堂でアフターヌーンティーがいただけるなど新しい情報と共に、ティーハウスやアンティークの美しい写真が満載です。ダウントン・アビーの世界観を現在も楽しめそうなティーハウスが沢山掲載されています。

公式ガイドと共にダウントン・アビーを観るとさらに楽しめます。

NHKでは、2016年2月時点でシーズン4を放送中。それぞれに環境の変化が多かった登場人物が、新たな道を模索しています。

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