最近事故や事件のニュースを見聞きする度に気になっていたのが、「自分がその場に居合わせたとしたら何ができるか」ということでした。市民講座で市民救命士の講座(座学+実技合計3時間)があるということで、救急救命の方法とAEDの使い方についても知りたいと思い、先月早速申し込んで行ってきました。その時の私の体験談をまとめたいと思います。
市民救命士講座の体験談(2019年5月):神戸市普通救命コースI
実際救急救命するとなると一人ではできない!5~6人は必要だと思った
講座は市の体育館の会議室の一室で行われ、その日は先生が3人、生徒は私を含めて6人でした。まずは、救急救命の冊子(2015年版・現在の最新版)をもらって目を通しながら座学が1時間弱ありました。
そこからは、実際の救急救命の実技です。この日は人数が少なかったため、何回も順番が回ってきてとても勉強になりました。と同時に思ったことは、「実際救急救命する時は知識のある人が5~6人は必要」ということです。
後ほど詳しく書きますが、まず一人は119番に電話して電話をつないだままにしておく(AEDの使い方や胸骨圧迫などの指示、サポートをしてもらえます。救急車到着まで電話はつないだままにしておいてOKだそうです。スマホをスピーカーにしておくのも良いそうです)、二人目はAEDを取りに行く、3人目は胸骨圧迫をします(それ以上人数がいれば胸骨圧迫を交代で行う)。
AEDの設置場所を調べる方法
神戸市の場合は「まちかど救急ステーション:AEDマップ」というページがネットで公開されており、その地図を見ればどこにAEDが設置されているのかがわかります。
自治体によってはアプリもあるそうですので、お住まいの地域のAEDの場所を普段から把握しておくと安心だと思います。
救急車が現場に到着するまでの平均時間は9分:その間胸骨圧迫を続けなければならないので人数が必要だと思った
胸骨圧迫は救急車が到着するまで続けなければならないそうです。全国平均で約9分(神戸市の場合は平均8分)で救急車が現場に到着するそうですが、今回の講座の先生が実際に体験したケースでは119番に電話してから15分間救急車が来なかったということもあったそうです。
その間ずっと胸骨圧迫を続けるとなると、一人では難しく、スムーズに交代できる人数が必要となります。
1分間に100回のペースで胸骨圧迫を行います。まず30回胸骨圧迫をしたらその後に人工呼吸を2回行います。これを1セットとすると、何セットかごとに誰かと交代すると体力がなんとか持つと思います。
胸骨圧迫している間に他の人がAEDを用意して、AEDの指示通りに使用していきます。(胸骨圧迫を止めてパッドを貼る間は10秒以内)まずは、パッドを患者に貼ってコードを本体と接続。電源ボタンを押すと、AEDが自動的に話し始め、AEDの利用が必要かどうかを判断してくれます。
今回新たに知ったことは、人工呼吸は必ずしも必要ではなく、胸骨圧迫の方が重要だということです。まずは心臓を動かして脳まで血流をしっかり届かせることで命が助かることがあるそうです。また、人工呼吸では感染症がうつる恐れもあるため人工呼吸用のマウスピースを使うことが推奨されています。
(今回の講座では、人工呼吸用のマウスピースを380円で購入して実技を行いました。このマウスピースは除菌シートでふいて干せば、何回でも使用できるそうです。)
1か月ほどで市民救命士の資格カードが届く
約1か月後に、今回の講座を受けたという証明のカードが届くそうなのでまた体育館に取りに行く予定です。カードが出来上がったらまたこのブログに載せようと思っています。
AEDの使い方や救急救命の講習を受けてみたいけど講座が近くにない場合はどうすれば良い?
今回私が受けた講習は神戸市の「市民救命士講習:普通救命コースI」というコースなのですが、他にも「小児コース」「怪我の手当コース」「上級コース」さらに、インストラクター用の「救急インストラクター講習」があるそうです。
私は市の広報を見て今回の講習の募集を知ったのですが、「他にも講習を受けたければ是非リクエストしてください。予定を組んで市の広報に載せます。」とのことでした。講習の実施場所である体育館に連絡すれば、今回先生を努めた担当の方が企画してくれるそうです。
講習を受けたいのに募集がない場合は、市や区にリクエストするのがおすすめだと思いました。
思ったこと:なるべく沢山の人に市民救命士の講座を受けてほしい
今回講座を受けて思ったことは「なるべく沢山の人に市民救命士の講座を受けてほしい」ということです。私がもし現場に遭遇することがあればベストを尽くしたいと思うのですが、実技を実際にやってみてかなりの人数が必要だと実感しました。
また、人形相手でも手順通りにやろうとすると結構焦るということもわかりました。
現場に救急救命の知識のある人が複数いればお互いに連携が取れて命が助かる可能性が高くなると思います。都道府県によって「市民救命士」の呼び方は異なるかもしれないのですが、もし機会があれば是非講座を受けてみてくださいね。