2夜連続でNHKスペシャルとして放送された「キラーストレス:そのストレスはある日突然死因に変わる」。(2016年6月18日、6月19日放送)
予告編映像とサブタイトルが何とも恐ろしかったのですが、番組内容は至って良心的で、ストレスが引き起こす心身への異常が科学的に解明された様子と、現実的にうつ病やストレスに対処するための具体的対処法が放送されました。
宇宙飛行士が働くISS(国際宇宙ステーション)でも最新のストレス対処法が使用されているとのことで、第2回(6月19日)放送では、宇宙飛行士の古川聡さんも出演しました。
林修先生を中心に座談会のように和気藹々とした番組進行で楽しくためになる番組でした!
今回は、うつ病やストレス疾患の予防方法が紹介された第2回の放送内容を中心にご紹介します。
【この記事のもくじ】
- 「キラーストレス」が科学的に分かる時代になった
- ストレスの原因「ライフイベントストレスチェック」リスト
- 扁桃体が過剰反応しないために今すぐできる3つのこと
- まとめ:キラーストレスが科学的に判明し、対処法も具体的で良かった
- 追記①:【うつ病・不眠予防】Google/ジョコビッチも実践!マインドフルネス瞑想のやり方がわかる4冊のおすすめ入門本まとめ
- 追記②:【スマホなし生活】デジタルデトックス実践によるマインドフルネス効果
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「キラーストレス」が科学的に分かる時代になった
今まで漠然と「ストレス」がたまると疲れたり病気になったりすると捉えられてきたことが、今は科学的に分かるようになりました。
脳科学や分子生理学などの研究が突き止めたのは、いわば「キラーストレス」とでも呼ぶべきストレスの存在です。 そこには人の体に「ストレス反応の暴走」を引き起こし、脳細胞や血管を破壊して、人を死に追い込むという詳細なメカニズムがありました。(NHKスペシャル・シリーズ「キラーストレス」HPより)
「ストレス反応の暴走」とは、具体的にどういうことかというと、ストレスがたまると脳にある扁桃体が過剰反応するようになり、自律神経へも過剰に信号を伝達してしまい活性化した状態になります。
その結果、常に緊張状態が続いてストレスがMAXになってしまい心身ともに疲労困憊した状態を作り出し、ストレスが原因で起こるうつ病などのストレス疾患にかかりやすくなってしまいます。
番組タイトル「キラーストレス」という言葉の意味
「キラーストレス」という言葉の意味は、「キラー(killer)=人を殺してしまう(原因になるほどの大きな)ストレス(stress)」と捉えると分かりやすいかなと思いました。
番組サブタイトルも「そのストレスはある日突然死因に変わる」となっていますので、この解釈で良さそうです。
ストレスの原因「ライフイベントストレスチェック」リスト
ストレスの原因は人によっても異なりますが、大きな出来事があった時や環境に変化があった時を「ライフイベント」と呼び、番組では「ライフイベントストレスチェック」として、チェックリストが紹介されていました。
引っ越しや身内の死などだけでなく、結婚や昇進といった良い出来事でも大きな変化となりますので、ストレスの元になってしまいます。
NHKスペシャルのHPの第1回内容ページ(↓)の下の方(スクロール)にチェックリストがあります。
それぞれのライフイベントごとに目安となる点数がついていて、合計点を出せるようになっています。
扁桃体が過剰反応しないために今すぐできる3つのこと
ストレスを受けて扁桃体が過剰反応するようになると、心身ともに疲弊して病気になる可能性があるのですが、以下の3つの方法でストレスを受けても扁桃体が過剰反応しないようになります。
扁桃体が過剰反応しなければ、ストレスを受けても自律神経が過剰に活性化しなくなるので、うつ病などのストレスから来る疾患の予防になると番組で紹介されました。
①定期的な運動
番組では「30分程度の運動を週に3回程度」と紹介していました。
体力にもよるので、少しずつ調整しながら行うのが良さそうです。
②コーピング(coping)
”このストレスにはこの対処法が自分に合っている”と思うものを紙に書き出して、実際にストレスを感じた時にその対処法を試してみます。
その対処法を試した後、自分がどのくらい気分や状態が良くなったかを点数(10点満点)でチェックしていく方法が紹介されました。
できればその対処法の選択肢は沢山あれば良いとのことで、どんなに小さなものでも自分にとってストレス対処法になっていればOK。
コーピングの例:宇宙飛行士・古川聡さんがISS長期滞在中に行ったコーピング
例として、宇宙飛行士の古川さんが、ISS(国際宇宙ステーション)で過ごしていた時のコーピングが紹介されました。
「家族とネットで話す」
「同僚が育てていた小麦の育つ様子を観察する」
「無重力空間でキャッチボールをする(自分でボールを投げて自分で取る)」
など、オリジナルのストレス対処法を見つけてコーピングしていたそうです。
また、番組に登場したビジネスマンの方の場合、うつ病を経験し一年かけて治療をした後、コーピングをしてうつ病の再発を防いでいるそうです。
中には「宝くじで7億円当たったらどうするか妄想する」など、その場ですぐにできる面白いコーピングもありました!
妄想するのは無料だしどんどんやってみましょう、とのことでした。
(うつ病の治療を現在行っている方は医師と相談しながら行いましょう、との説明書きがありました。)
③マインドフルネス瞑想(Mindfulness Meditation)
早稲田大学人間科学学術院教授の熊野宏昭先生が番組に登場して、マインドフルネス瞑想を紹介しました。
マインドフルネス瞑想の仕方を紹介しています。(3)までで10分、(5)までで10分間かけられるとよいと思います(音声の最後の部分は、やや注意を広げすぎかもしれません)。RT:NHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」第2回内容 https://t.co/TDu3rbjDhx
— 熊野宏昭 (@hikumano1) June 19, 2016
マインドフルネスとは「今、ここ」だけに集中するという意味で、近年アメリカでも注目が高まっており、大企業や学校、刑務所などでも取り入れられている瞑想法です。
番組では、マサチューセッツ医科大学で行われているマインドフルネス瞑想のグループの様子が放送されました。宗教性をなくした瞑想法であることが特徴だそうです。
マインドフルネス瞑想のやり方
10~15分からスタートするのが良いそうです。
(1)背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座り、目を閉じる
(2)呼吸をあるがままに感じる
(3)わいてくる雑念や感情にとらわれない
(4)身体全体で呼吸するようにする
(5)身体の外にまで注意のフォーカスを広げていく
(6)瞑想を終了する (NHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」第2回内容より)
早稲田大学人間科学学術院教授の熊野宏昭先生が番組で紹介したマインドフルネス瞑想の詳しいやり方がNHKスペシャルのHP(下記)にアップされています。
↓こちらのページの一番下に、熊野先生の音声(5分36秒)もアップされていますので、音声を聞きながら実践してみたい方は是非どうぞ。
まとめ:キラーストレスが科学的に判明し、対処法も具体的で良かった
今回のNHKスペシャル「キラーストレス」では、ストレスが原因で脳や神経にどのような変化が実際起こっているのかという科学的な検証が紹介されていて見応えがありました。
また、キラーストレスにどのように対処するのかという具体的な対処法も沢山紹介されていて良かったです。
今回のブログ記事では主に第2回の放送内容を中心にご紹介しました。
番組の中で紹介されたマインドフルネス瞑想が宗教性を省いたものであることが特に良かったです。
大学などが公開している方法で瞑想することができるのは安心ですよね。
再放送でもう一度見たい番組だと思いました!続編もできれば放送してほしいです。
追記①:【うつ病・不眠予防】Google/ジョコビッチも実践!マインドフルネス瞑想のやり方がわかる4冊のおすすめ入門本まとめ
現在、マインドフルネス瞑想に関する本が沢山出版されているのですが、その中でも特に分かりやすく、一人でもすぐにマインドフルネス瞑想を実践することができるおすすめの本を4冊ピックアップしてご紹介しています。
Googleのマインドフルネス瞑想実践プログラム、ジョコビッチ選手が瞑想する様子やインタビューについてもご紹介しています。
【うつ病・不眠予防】Google/ジョコビッチも実践!マインドフルネス瞑想のやり方がわかる4冊のおすすめ入門本まとめ【初めてでもできる】【キラーストレス対策】 - さんぽガーデン
追記②:【スマホなし生活】デジタルデトックス実践によるマインドフルネス効果
スマホが故障したことで、1週間のデジタルデトックス期間を過ごしました。実際スマホがない生活をしてみてどんな効果があったのか、感想、メリット・デメリットをまとめました。
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